5、運命の法則


★ 運命と宿命は別。

運命という言葉があります。世の中には、自分の人生をすでに決められたものとし、何事も宿命のせいにする宿命論者がいます。テレビや雑誌でも、占い師などが あなたの人生は決まっているなどと語っています。しかし、あなたの運命は決して一つに定められているものではありません。波長の法則、因果の法則からもわ かるように、あなたの人生の流れはあなた自身が作り出すものなのです。これが、運命の法則です。もしあなたの運命がすでに決められているのなら、あなたが この現世に生まれてくる理由など何もないことになります。なぜなら、あなたは決められた通りの人生をだらだらとただ生きていけば良いことになりますから、 努力をする必要も悩む必要も無くなってしまうからです。しかし、人生はそのようなものではないのです。あなた自身があなたの自由意志で決めて行くのが人生 であり、それが生きることの喜びなのです。今あなたに起きていることは、すべて今までのあなた自身が作り出した現実にほかなりません。そして今後の人生を 作り出して行くのも、すべてあなたの自由意志です。幸せになりたければ、波長を常に高くし、善い行いを沢山すればよいのです。誰もが自分自身を責任主体と して、幸せな人生を作る自由を持っているのです。誰もが自分自身を責任主体として、幸せな人生を作る自由を持っているのです。しかし、人生には変えること の出来ないものもあります。それは、あなたが生まれる前から決まっていた要素です。つまり、それは宿命です。例えば、あなたが女性、あるいは男性として生 まれたことです。その事実は変ることが出来ません。生まれ持った体質や容姿もまた宿命です。さらに、あなたがあなたの家族のもとに生まれて来たこと、日本 人なら日本人として生まれて来たこと、今という時代に生まれて来たことも宿命です。こう書けば、やっぱり人生のほとんどは、自分の意志ではないものによっ て決められているんじゃないかと思う人がいるかもしれません。けれども、スピリチュアリズムの立場からはこう考えます。宿命さえも、生まれる前にあなたが きめたことなのだと。あなた自身の魂、ひいてはあなたの類魂が決めたことなのだと。スピリチュアリズムの立場から言えば、あなたが楽に生きられる環境は、 あなたにとって何も学べない環境だと言えます。何の苦難も摩擦も経験できない環境を選んで生まれたら、その人生は学びの少ないものとなってしまいます。あ なたが生まれたのは、あなたの魂を磨くためなのです。この世で多くのことを学び、感動し、あなたの魂を浄化向上させて、あなたの類魂を大霊に少しでも近づ けるためでした。そのためには、あなたの魂の濁った部分を徹底的に磨ける環境が、人生の設定として選ばれなければなりません。そうして選んだのが、ほかな らぬあなたの性別や体質であり、国籍や時代であり、家族なのです。これらは、あなたの筋肉の弱い部分を鍛えてくれるトレーニング・マシーンのようなもので す。あなたはこのトレーニング・マシーンに自ら挑むことにしたのです。真の幸せ、永遠の幸せをつかむために。

★ 宿命を受け入れて生きる。

で は、生まれ持った宿命と、実際の人生の中で作り出されていく運命の関係を、私たちはどう考えたらいいでしょうか。私はよく、それを説明するときに、ケーキ のスポンジとデコレーションの関係に例えます。スポンジは宿命、デコレーションは運命です。既に決まっているスポンジの上に、自由にデコレーションしてゆ く。これが人生なのです。デコレーションを考えるときは、みんなと同じがいいとか、少しでもみんなに羨(うらや)ましがられるようなデコレーションがいい といった発想は禁物です。あなたのスポンジに最適である独自のデコレーションが必ずあるはずなのです。ですから、あなたのスポンジの特徴をよくつかんで、 それに適したデコレーションを考え出すことが大切です。もしあなたが、あなた以外の価値観を基準にしたデコレーションをしたのでは、釣り合いの取れていな い不安定なケーキが出来上がってしまいます。人生も、これと同じです。もしあなたが決まった宿命の中で最高の人生を生きようと思ったら、自分の宿命を理解 し受け入れることが第一歩となります。そしてその特徴を生かしてこそ、幸せな人生を作っていけるのです。あの人のスポンジならよかったのにとか、こんなス ポンジでは幸せになれっこないなどとぐずぐず言っていては、人生の時間が無駄に過ぎていくだけです。「 このスポンジを最高のケーキに仕立ててみせる!」 と、早いうちに肚(はら)をくくれた人ほど、充実した人生を送ることが出来るのです。宿命と運命の関係は、それを学校生活に例えることもできます。その学 校で既に決まっている制服、校則、授業のカリキュラムは、宿命です。そしてその学校であなたがどう過ごすのかは、運命です。中学校時代や高校時代のクラス メイトたちを思い出してみて下さい。同じ学校に通っていても、過ごし方は様々だったと思います。これと同じで、人生という学校でも、懸命に勉強して良い成 績を挙げることもできれば、部活動に熱を入れることも、たくさんの友達を作って友情を育むこともできます。自分で望んで入った学校であるにもかかわらず、 不満ばかり言いながら過ごすこともできるし、つまらないからと毎日サボることもできます。その学校(宿命)で、どんな経験をするのか、どれだけ有意義に過 ごすかは、ひとえに一人一人の自由意志次第なのです。人生も、これと同じです。決まった宿命のもとに生まれたあなたの人生には、無数の過ごし方がありま す。今日からこの世を去る日まで、どのような人生を歩むのかは、すべてあなた次第なのです。






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