6、波長の法則


★ 「想念」 が出会いを決める。

自分の心のあり方が、あなたの出会う人や出来事を決めている。これが、波長の法則です。人間が心に持つすべての思いは、「想念」 という霊的なエネルギーを生み出します。そして、「類は友を呼ぶ」 という言葉が昔からあるように、同じレベルの想念の波長をもった者同士がお互いに引き寄せあうのです。今のあなたを 取り巻いている人たちを思い浮かべて下さい。どんな人たちが、あなたの日常生活の中にいるでしょうか。愛情と優しさに満ち、前向きで素直な心を持った人た ちなら、あなたも前向きな高いエネルギーを持っていると言えます。反対に憎しみや妬み、蔑(さげす)みの心を持つ人たちに囲まれていれば、あなた自身も否 定的なエネルギーを持っていることになります。「私の周りにはろくな人がいないわ。」 「どうして私のところにばかり腹の立つやつが集まるの。」 「人間 関係に恵まれない私って不幸・・・・・。」 と言う人も、その原因は自分自身にあるのです。自分自身の波長は、日常の中で経験する出来事をも決めていま す。「最近ろくなことがない。」 「どうしてこんなに嫌なことばかり続くんだろう。」 と思う人は、自分の波長が低くなっていないかどうかを省みる必要が ありそうです。自分自身の心のあり方をまるで鏡のように見せてくれる波長の法則ですが、恐れる必要は全くありません。あなたが感謝や喜びの心、労(いた わ)りや優しさの心を持てば、波長が高まり、同じく高いエネルギーを持った人や出来事が、必ず感応して集まってくるのですから。この法則から言えることの 一つは、恋人との別れは悲しいことではないということです。あなたは、お互いにかなり夢中だった恋人とうまくいかなくなったりとか、あなたがとても親し かった友達と話が合わなくなったという経験が、あるのではないでしょうか。これは、ふたりの波長の間に差が出て来たためなのです。これは、ごく自然な流れ であり仕方のないことです。その関係にいつまでも執着せず、心を切り替えて新しい出会いに向かってゆく方がいいのです。思いの持つエネルギーだけでなく、 言葉が持つエネルギー、すなわち 「言霊(ことだま)」 もおろそかにしてはいけません。口から出した言葉は必ずエネルギーとなって、同じようなエネルギーを持つ人や出来事を呼び寄せます。「どうせ私には出来っ こない。」 とか言った否定的な口癖は、今すぐにでも止めて下さい。「私はダメな人間だから・・・・」 も禁物です。あなたが、たとえ謙遜(けんそん)で言っていても言い続けていると、本当にダメな人間になってしまいます。言霊の力は、それほど強力なので す。

★ 低級霊の憑依にご用心

霊 的な電波を放って生きている私たち人間は、例えてみればラジオのようなものです。どこにチューニング(調整)するかにより聞こえてくるものが違ってきま す。あなたが心を高い周波数にチューニングしていれば、あなたの気持ちが安らぐ話や、あなたにとって必要な情報が耳に飛び込んできます。あなたが心を低い 周波数にチューニングしていると、嫌な噂(うわさ)や、あなたを不安な気持ちにさせる雑音しか入ってきません。現世に肉体を持たない霊にも、人間が出す霊 的な電波は及び作用しています。あなたが低い波長の電波を出していると、邪霊や未浄化霊と呼ばれる低級霊と同調することになるのです。場合によっては、そ れが憑依霊(ひょういれい)となってあなたに憑(つ)き、あなたの生活や健康にまで悪影響を与えます。例えば、私たちが墓場や事故現場、因縁のある場所に 出かけた時に、悪い霊に取り憑かれてしまったとします。それ以来、ずっと肩が重いとか、悪いことが重なって起きるとか、健康を害してしまったなどと言うこ とが起きて来ます。こうした憑依現象は、とかく霊の側が悪いものとして語られ恐れられています。けれども、こうゆう現象も波長の法則が働いた結果なので す。憑かれた人間も、同じレベルの波長を出していたのですから、自分の低い波長に問題があったと考えねばなりません。私(江原啓之)のもとにも、憑依霊の 問題で訪れる相談者はかなりいます。「今すぐこの霊を私から取り除いて下さい!」 まるで被害にでもあったかのような感じで相談してくる人もいます。ところが私がその人を霊視してみると、どの憑依霊も口を揃(そろ)えてこう言うのです。 「私は、この人に呼び寄せられて来たのです。」 と。ずっと前に訪ねてきた若い女性もそうでした。彼女は体調をかなり悪くしていて、原因は病院に行ってもわからないと言います。その顔は真っ青で、まるで 地獄の底から這(は)い上がってきたような形相でした。彼女は、付添いの人に腕を支えてもらわなければ立つこともままならないほどの衰弱ぶりだったので す。私は驚きを隠せませんでした。廃人のような彼女の姿にではありません。彼女の後ろに重なるように、はっきりと別の女性の姿が立ち浮かんでいたからで す。その憑依霊は、三年前に海に飛び込み自殺をした若い女性の霊でした。その霊が私に語るところによると、自分は恋愛の果てに捨てられて自殺したとのこと でした。彼女が恋人に捨てられた原因は、彼女に赤ちゃんが出来たからでした。なぜその女性に憑依したのかを私が霊に尋ねると、「彼女は私と全く同じ事情で 悲しみに暮れていたからです。この女性なら私の気持ちをわかってくれると思ったのです。」 と、その霊は言いました。相談者の女性にそのままを伝えると、まさしくその通りであるとのことでした。彼女は恋愛にやぶれ、お腹に別れた男性の子供を宿 し、絶望的な気持ちになっていたのです。そして憑依霊が入水自殺をしたという同じ岬に、彼女も自殺したいと思いながらたたずんでいたのです。一緒にいた友 人が彼女が自殺するのを止めてくれたおかげで、その場では事なきを得ましたが、以後彼女は様々な症状に襲われるようになりました。そして、とうとう喉が腫 (は)れて食べ物も通らなくなり、お腹がパンパンに張って痛むという、まさに入水自殺をしたのと同じような症状に悩まされるようになったのです。私はその 憑依霊を浄霊するとともに、相談者の女性に生きることの意義を諭(さと)し、希望を持って生きるよう励ましました。するとみるみるうちに、彼女は誰が見て もはっきりわかるほど、明るく健康な女性に変わりました。この女性はこんなに美人だったのかと思うほど、見事な変貌ぶりでした。日本には、なぜか自殺が多 発する場所があります。そうゆう場所へ失恋に悩む人が足を運べば、失恋を苦に自殺した霊達が同調して集まってきます。金銭トラブルに悩む人が行けば、金銭 を苦に自殺した霊達が呼び寄せられて、次々にその人の足を引っ張ります。自殺者の霊は、なぜ死んだ現場に居残ってこのようなことをするのでしょうか。それ は、彼らが自分が死んだという事を理解出来ないでいるからです。彼らが、自分たちはまだ死ねていないと勘違いしているからです。多くの自殺者は、死ねばす べてが終わると信じて死にます。ところが、霊魂の法則からもわかるように、人間は霊的存在ですから肉体の死後も魂の存在は無くなりません。自殺した霊は、 いつまでも自分という存在が消えてしまわないことに苦しみます。そして、もう一度きちんと自殺をやり直さなければならないと思い込み、同じ波長の人に憑依 しその肉体を借りてもう一度自殺しようとするのです。もちろん、そうした場所へ行った人すべてが憑依を受けるわけではありません。あなたが、高い波長を 保っていれば絶対に大丈夫です。先の例からわかるように、彼女と一緒にいた友人は、自殺したいと思うどころか、むしろ彼女が自殺しないように止めてくれた のですから。あなたはここまで読んで、私は霊的体質でもないし憑依なんて関係ないと思うかもしれません。しかし実は、誰にとっても憑依は意外なほど頻繁に 起こっています。ふつうあなたは気付いていないことがほとんどですが、ごく小さな憑依まで含めれば、それこそ日常茶飯事といってもいいくらいです。それは 何も特別なことではなく、憑依も単に波長の法則の一面であるにすぎないのです。それは、肉体を持たない霊による憑依だけではありません。生きている人の想 念と魂、つまり生霊もまた憑依をします。昔から怪談などで語られる丑の刻参りなどは、生霊のエネルギーを使った呪術です。これなどは極端におどろおどろし い例ですが、人に対する思いは、意識的にしろ無意識的にしろ、相手にしばしば影響を及ぼしているのです。

★ 憑依の連鎖を断ち切るために

低 級な憑依霊に取り憑かれた人に対し、私は霊能力者として浄霊を行うことがあります。けれども私はこれが根本的な解決をもたらすとは思っていません。それは 憑依を一時的に取り除くに過ぎない、いわば対症療法に過ぎないと考えています。憑依した霊は、私がよくよく言い聞かせることにより、その人の体を離れてい きます。しかし、その憑依を招いたのはその人の波長ですから、本人の心のあり方がその後も変わらなければ、また同じレベルの霊を招いて憑依されてしまいま す。憑依の連鎖を断ち切ることは、結局のところ本人にしかできません。本人の心の波長さえ高まれば、霊能力者の手を借りなくても憑依霊は自然と離れていき ます。憑依霊が、自分が憑いた人間が前向きに変わった姿を見て 「なるほど、もっともだ」 と教えられ、浄化していくことも珍しいことではありません。霊的な話が苦手な人には、恐ろしく思える話が続いたかも知れませんが、憑依も恐ろしいものばか りではありません。人間は高い波長をもった霊による憑依で恩恵を受けることもしばしばです。すぐれた才能や技能を持つ人たちの多くは、霊から創造的なエネ ルギーを授かって仕事をしています。生霊も否定的なものばかりではありません。親が子を心配する思い、遠く離れた人を思う愛といったエネルギーもまた生霊 であり、思われている側がそのエネルギーに守られて助けられたり、難局を切り抜けられたりすることは、本人は気づかなくても日常よくあることなのです。す べては自分自身の波長しだいです。自分が波長という大事なエネルギーを放っていることを自覚し、常に自分の波長を高く保つように努めて下さい。






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