7、因果の法則


★ すべての行為、つまり思いと言葉と行動がカルマになる。

自分がしたことはいつか自分に返ってくると、日本ではよく言われます。「自らまいた種は、自らが必ず刈り取らねばならない。」という言葉もあります。因果の 法則は、まさにこの事を意味しています。これが、因果の法則です。因果とは、文字通り原因と結果のことです。これをカルマとも言います。他にカルマには、 すべての行為、つまり思い、言葉、行動という意味もあります。今ある状況はすべてが、これまでの自分のあり方(原因)の結果だというのが因果の法則です。 この世には奇跡と偶然のどちらも存在しません。すべての出来事は、因果の法則という自然の摂理にもとづいた必然なのです。原因となるのは、「行い」だけで はありません。あなたが話す「言葉」や心に抱いた「思い」さえもが、原因なのです。すべての行為は、霊的エネルギーを放っています。それは、いつかあなた のもとに何らかの結果となって返ってきます。この法則が働く正確さは、スーパーコンピューターをはるかに凌(しの)ぐものです。因果やカルマというと、恐 ろしいイメージを持つ人が多いのですが、波長の法則と同様、これも自分自身の自己責任次第だという事を知れば、何も恐いことはありません。あなたが愛や思 いやりや努力といったプラスのカルマを積めば、必ずプラスのカルマがあなたに返って来ます。そのことをこの法則は保証しているのですから、むしろありがた いことです。たとえマイナスのカルマが返って来たとしても、それはいわゆる天罰ではありません。霊的法則に天罰はないのです。ただ単純に、自分が蒔(ま) いた種がそのまま返って来るというだけです。とてもわかりやすい摂理なのです。因果の法則は、実に機械的な法則に思えるかもしれませんが、しかし、これは 実に愛に満ちた法則なのです。なぜなら、この法則が働いているからこそ、私たちは必ず自らの欠点や未熟な部分に気付くことが出来、それを改善することがで きるのですから。その時は、手痛い経験と感じるかもしれません。しかし、だからこそ、二度と同じ過(あやま)ちをしない自分になれるのです。このように、 どの霊的法則も、私たちの魂がより成長できるようにのみ働いているのです。

★ カルマは、人間関係の磨き砂

現 世における学びのうち、あなた一人で達成できるものはほとんどないと言えるでしょう。人間は、人間同士が共に生き、時には衝突し、感動を与え合ってこそ、 お互いの魂を磨き合うことが出来るのです。本当の幸せも、たった一人きりでは得ることはできません。人間関係とはまさに、魂に輝きを与える磨き砂と言える のです。因果の法則は、あなたと他者との関係がどうあるべきかを教えてくれます。あなたが、思い、言葉、行為を通じて、愛情やいたわりを人に与えれば、必 ずそれは同じだけあなたのもとに返って来ます。逆に、憎しみや妬みなどの思いを人に与えていたら、あなたのもとにそれが同じだけ戻ってきます。この法則を 知らず、もしもあなたが自分の悩みの原因を他人に転嫁(てんか)したり、恨んだりすればどうなるでしょう。自分が放った否定的エネルギーがあなたに戻って 来ただけなのに、さらに新たな否定的エネルギーを放ってしまうことになります。あなたが、自分自身の過(あやま)ちに気付かない限り、その苦しみは二重に も三重にもなり、いつまでも自分が蒔いた種によって苦しむことになりかねないのです。逆に、あなたが肯定的なエネルギーを常に放っていれば、あなたのもと にそれが二倍にも三倍にも なって返って来ます。これは、とても心強い摂理です。正直者が馬鹿を見るとか、報われない努力といったことが絶対にないことの保証だからです。

★ 家や国にもカルマがある

と ころで、因果、すなわちカルマには、もう一つ大事な側面があります。カルマは人間一人一人に働いているだけでなく、家、会社、国、さらには地球にも作用し ているということです。つまり、家には家系のカルマ、会社には会社のカルマがあり、国や地球にも、国のカルマ、地球のカルマというものが存在するのです。 すべての魂が元来一つである以上、カルマも相互に無関係ではありません。類魂の法則で書いたように、私たちはすべて広義の類魂です。「自分の行いや思い が、自分の人生を左右するところまでは実感できるけれど、国や地球の事まではピンと来ない。私にはそんな大きな力はないから。」 などとは思わないで下さ い。あなたのカルマは、あなたの暮らす国のカルマとなり、ひいては地球のカルマとなるのです。そして、地球のカルマは、各国のカルマとなり、一人一人の人 間のカルマとなります。日本に生きる私たちは、日本という国のカルマを背負っています。現在の地球環境の悪化も、経済の不況も、さまざまな社会不安も、今 までのツケによって表面に出て来た日本のカルマであり、私たちが共に学ばなければならない課題です。非常に大規模な国のカルマというものを、私たちは分担 して背負っている仲間なのですから、責任を押し付け合わず、どんな問題も共に考えていかなければなりません。たとえば、今の日本には就職口が少ないという 問題があります。どんなに優秀で努力を積んでいても就職活動がうまくいかないという人も多いでしょう。あなたが努力というプラスのカルマを積んでいるのに もかかわらず、うまくいかないのは不公平だと、あなたは思うかもしれません。しかし、これもまた日本のカルマです。そして、運命の法則で書いたように、私 たちは日本という国のこの時代を選んで生まれて来ました。雇用不安という問題を一つとってみても、それは私たち一人一人が考えねばならない問題なのです。 逆の場合も考えてみて下さい。地球の幸せなくして、日本の幸せはあるでしょうか。日本の幸せなくして、個人の幸せはあるでしょうか。地球のカルマ、日本の カルマを果たしてこそ、私たちの幸せはあるはずです。どこか遠い国で起こっている惨事も、地球環境が破壊されつつあることも、私たちは自分自身の責任とし て、自分自身の痛みとして、感じながら生きていかなくてはならないのです。






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